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プライベートエクイティ投資は、1990年代中盤からヤフーやネットスケープといったインターネットベンチャーの資金調達手段として米国市場を中心に急拡大したが、米国では年金基金や大学財団基金がそうしたリスクマネーの供給者となった。
欧州では企業の買収合併や再編にかかわるパイアウトを中心に市場の拡大がみられたが、日本ではパイアウトファンドの組成は遅く、1999年9月に経営破綻に陥っていた日本長期信用銀行を買収した米系ファンドのリップルウッドジャパンの動きに端を発し企業再編の動きが活発化してくるなかで、近年ようやくパイアウトを中心に市場の拡大がみられプライベートエクイティ投資は、日本の投資事業組合に相当するリミテツドパートナーシップ契約に基づき、米国デラウェアや英領ケイマン諸島、英領ガンジー諸島に設立されるファンドへの投資の形式をとるのが一般的である。
そうしたファンドは、ジェネラルパートナーとリミテッドパートナーから構成されるが、ファンドマネージャーはジェネラルパートナーとして、投資先の経営、事業戦略の遂行等を通じて投資にかかわる全責任(無限責任)をもち、投資家はリミテッドパートナーとして責任範囲が限定された立場(有限責任)で投資を行う。
を問われるケースを回避するために、有限責任会社形式のSPC(特定目的会社)、あるいはリミテッドパートナーシップを設立して運用を行うケースが多い。
なお、プライベートエクイティ投資は、キャピタルコール方式と呼ばれる投資先の資金ニーズに応じて分割して払込み(投資)を行う方式が多く、そうすることで資金効率の悪化を防いでいる。
プライベートエクイティ投資の運用形態には、上述のベンチャーキャピタル、パイアウトファンドやファンドオブファンズに加え、ベンチャー投資とパイアウト投資の専門チームを有し投資先の各ステージに応じた投資を行う「バランスファンド」や、グローバルなネットワークを有するマネージャーが地域分散を目的として設定する「グローバルファンド」があげられる。
チャーキャピタルやパイアウトファンドへの分散投資を行うマネージャーが採用する運用形態である。
ファンドの組成ごとに新規に投資対象を選定する「プライマリーファンド」と、既存の投資家よりファンドを買い取る「セカンダリーファンド」がある。
最近の傾向としては、セカンダリーファンドの組成が増加しており、投資家にとっても市場における流動性が徐々に厚みを増しつつある環境にある。
こうしたプライベートエクイティ投資の実務についてS信託銀行の取組事例を紹介する。
S信託銀行では、東京、ニューヨーク、香港に投資担当者6名を配置してプライベートエクイティ投資を行っているが、投資プロセスの第1ステップはソーシング(投資案件の発捌)からスタートする。
まず、投資担当者は、プライベートエクイティファンドやプレースメントエージェント(投資銀行や証券会社)と常時接触するなかで、ファンド組成等に関する情報収集や新規案件の発掘を行っているが、年間100-200件程度のファンードの持込みがあり、うち10-20件程度を、ポートフォリオ運営方針に則り取り上げている。
ファンドマネージャーとの面談、目論見書に基づき、パフォーマンス、契約条件、マネジメントの属)語、ジェネラルパートナー内における成功報酬の分配方法、投資手法の検証と投資戦略の継続性、過去の投資案件の内容等をチェックする。
これらのチェックは、ファンドマネージャーとの面談や目論見書だけではなく、各種公開資料や同種のファンドマネージャーおよびベンチマークとのパフォーマンス比較等を通じて行われる。
特に、投資戦略の継続性や主要投資担当者の履暦は検討中にあるファンドの過去のパフォーマンスを検証するなかで重要なポイントの一つである。
契約条件についても、「業界における標準的な水準とファンドマネージャーの業界地位を勘案した報酬条件となっているか」、「主要な投資担当者を変更させないという規定や投資制限や借入制限条項等の主要条件が備わっているか」といった各種の項目を確認する。
これらのデ、ユーデイリジエンスを通じて取組み可能と考えられるファンドについては、リミテッドパートナーシップ契約の内容について目論見書との整合性やより細かな契約条件を含めた法務面での分析チェックを行うこととなる。
こうしたデユーデイリジェンスのプロセスを経て投資を開始することになる。
プライベートエクイティ投資は受益証券等を購入するわけではなくフアンドへの出資形態をとるケースが多いことから、契約締結の意向を示しサイニング(サイン)によって投資を実行することになる。
なお、プライベートエクイティ投資ではキャピタルコール方式を採用していることから、サイニングは、向こう数年間にわたる投資資金の払込総額(投資枠)を約束することになる。
を払い込む(配当資金を受け取る)わけであるが、確証となる受益証券等は交付されないことから、そのつど、ファンドの真正確認を行っている。
最後のモニタリングについては、ファンドからの運用報告に基づき、所定の項目によるコンブライアンスチェックと運用実績の評価を行う。
定期的にファンドへの往訪等を行い、投資状況、投資企業の業況や今後の投資在までのところ件数金額ともに減少傾向にある。
そうしたなかで投資資金は、業歴が長く良好なパフォーマンスを維持しているトップファンドへ集中する傾向が強まっており、新興ファンドによる新規ファンドの募集は苦戦する状況にある。
多くの年金基金が、プライベートエクイティ投資への資産配分比率や配分額を変えずにマネージャーを絞り込んでいることも、2極化の動きを促進している。
プライベートエクイティ投資の専門誌であげた新興ファンドの募集総額は200億ドルであったのに対して、2001年は半減し106億ドルとなっていることが、トレンドを裏付けている。
こうした2極化の動きは、ファンドオブファンズのセレクションにもみられ、トップマネージャーにアクセスできるファンドオブファンズへの選好が強まっている状況になっている。
天然資源や不動産は、債券や株式といった有価証券と異なり、実需に基づく価値がベースラインにある実物資産で、個別性希少性が高く、インフレヘッジ機能をもっている。
他のオルタナティプ投資と同様に伝統的資産との低相関性が注目されている。
金や石油をはじめとする鉱業資源や木材などの天然資源は、株式や債券等の伝統的資産に比べて歴史は古いものの、たとえば金などはキャッシュフローを産まないことから機関投資家からは敬遠されてきた経緯がある。
ただし、最近米国の同時多発テロ直後の金価格の急騰などにみられるように、グローバル経済の変動性が高まるなかで分散投資拡大の観点からもこれらの資産への注目度は高まってきているといえるだろう。
資理論における位置づけや運用形態といった検討課題が多く、本格的な取組みに至るまでには相応の時間を要するものと思われる。
特に、年金等の機関投資家の場合は、マネージドフューチャーズにおける投資戦略のーっとして先物やオプションという形態を通じて天然資源を組み入れるケースがみられ、パブリックマーケット投資の興隆とともに、間接的ではあるが、投資資金の流入が見込まれている。
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